亀の巻物・・・
亀は巻物を小さいころに見たことがあって
そのころの話を蛙に聞かせた・・・
亀が小さいころ・・・
それは 昔むかしの話だった・・・
亀の祖父のまだ若いころの話・・・
祖父がその頃住んでいたあたりを
巻物に書きつけた・・・
その当時からは ずいぶん地形も変わって
川の流れも 変わっていた・・・
蛙が目指していたところはやはり川はなく
今は少し湿地が残るだけのようだった・・・
人の手によって 川の整備もされ
その湿地に向かうのは 困難なことも
亀は蛙に教えた・・・
その湿地には 今もまだ あのころの面影を残すものがあると
亀は言った・・・
それだ! やっぱりあったのだ!
蛙は その面影を残すものを目指すことに決めた・・・
その昔 亀の書いた巻物は いつしか蛙に伝わって
何代も何代も長い間受け継がれていったのだった・・・
いつしか 何のためのものなのかも わからなくなっていたが・・・
蛙は それを知りたかった・・・
なぜ この巻物が伝わっているのかを・・・