亀はこの場所から 動けなくなっていた・・・


どのくらい時が流れているのかわからないが


このあたりの地形は


川の下に向かって


地盤が押されて 動いている・・・




地盤の動きを止めるために


人が大きな杭をいくつもいくつも長い年月をかけて


打っているようだ・・・


そのおかげか 


しばらく この動きは止まっているかのようだけれど


その反動もいつ起きるかわからない・・




亀は その地盤の動きで 入口が狭まって


この洞窟に閉じ込められてしまったようだった・・・




この洞窟の空間も 亀には はじめはよかったが


亀が大きくなるにつれて


身動きが出来なくなってしまった・・・




長い年月がすぎて


甲羅には苔が生えて 岩のようになっていった・・・




蛙が 巻物を持って旅に出たことは


すでに亀は知っていて


巻物を見せてくれと 頼んだ・・・




蛙は 巻物を広げると


亀は涙を流した・・・






ねこじゃらしの裏庭 目次









水の中から 天井を見上げると


月が 柔らかな光に包まれていた



岩の苔は 水の中でゆれていた・・・


白く小さなつぼみをつけている・・・



ぽこぽこと 泡が出ている方を見ると


きらっと光ったかと思ったら


その光が蛙の方へ


向ってきた・・・




蛙は 岩から離れると


はっと 気がついた・・・




亀だ・・・


大きな岩と思っていたのは亀の甲羅で頭を出して


こちらに顔を向けたのだった・・・




亀は 蛙に甲羅に乗るようにと首を水面に向けて振り


頭を水面に出した・・・




甲羅に乗った蛙は


亀の頭が出てくるのを眺めていた・・・




コイが会わせたかったのは


この亀だったのか・・・




亀は 蛙に顔を近づけて


何やらぼそぼそとつぶやいた・・・














コイは 光の筋の向こう側へ泳いでいった・・・


その先は また薄暗くなったが


大きな岩が水面から出ているのが見えた



岩には 苔がたくさんついていて


水滴を含んでいるところは きらきらと光っていた




コイはその岩の淵に寄ると


蛙にそこにいるように言って


蛙を降ろすと 水面から 姿を消した・・・




蛙は 苔の上に座って


疲れた体を 横たえた・・・


ひんやりとした苔は 気持ちよく


蛙は そのまま目を閉じて


眠ってしまった・・・




しばらくして 何かに呼ばれた気がして


蛙は 目を覚ました




夜になり 天井からは 月明かりがさしていた・・・


月は 小望月


普段の月明かりよりも 明るく感じた・・・


明日は満月か・・・



天井から見える月も 星空も


水面の輝きも 何もかもが光り輝いている・・・




ぽこぽこぽこ・・・



水面に 小さな泡が現れて


その泡が だんだん大きくなっていった・・・




その泡に驚いた蛙は


苔の上ですべって水面に落ちてしまった・・・










ねこじゃらしの裏庭  目次










いつの間にか 書きためられていた小さなお話しを 目次にしました・・・。   







ねこじゃらしの裏庭   (2017・3・12更新)




目次


プロローグ


裏のお庭で待ってます・・・


便りを待っている・・・


ケロ って かわいいニックネームだな・・・


ねこじゃらしの裏庭・・・


久しぶりの雨の日に・・・


雨つぶの ・・・


夕陽の中で・・・


猫目の月・・・


月明かり・・・


猫の背・・・


ゆくえ・・・


穴の中で・・・


枯葉のふとんに・・・


手のひら・・・


口の中へ・・・


ちいさな変化・・・


声の主・・・


寝息・・・


ねこ・・・


ねこの話・・・


モズのゆくえ・・・


梅の枝・・・


托卵・・・


蛙の救出 ・・・


冬眠 ・・・


引っ越し ・・・


ぱらぱらぱらん・・・


日常報告・・・


ひとつづつ・・・


日常報告 その2 ・・・


葉っぱの中で・・・


古文書 ・・・


川の流れに沿って・・・


川岸のコイ・・・


蛙の川下り


暗闇の先に・・・


苔のむす岩・・・


水中 ・・・


亀の瀬 ・・・


亀の巻物 ・・・


巻物の行方 ・・・


ひかれあう巻物 ・・・











The story continues....








真っ暗な中を進んでいくうちに


目が慣れてあたりが少しずつ見えるようになってきた




通路のように水がたまっているところを


コイはどんどん進んでいく


岩場の両方の壁も 少しずつ 間が広がっていく






空気は少しずつ温かくなり


柔らかな風を感じるようになっていた




遠くに一筋の光が 差し込んでいるのが見えてきた



光の筋の周りは 広い空間になっていて


深い湖のようになっている



近づくにつれて


水の量も増えて 底がどんどん深くなっているようだった



底まで すっきりと見渡せる


色は 深いブルー



光の筋は 水面から 底まで 届いていた




光がさしている天井は 岩場の間から


青い空をのぞかせていた・・・








ねこじゃらしの裏庭  目次